車を売るには、まず査定を受ける必要があります。
でも、車のどこを見て、どう評価されるのか、また、どのようなポイントがマイナス査定になるのか、、ちょっと不安ですよね?
GOODBYE CARの岡田です。
車の査定価格は、車種や年式、走行距離でおおよそが決まります。
さらに細かな項目をチェックしたうえで「評価点」を出すわけですが、車両の状態によっては大きく減点されたり、逆に加点されるケースもあるんです。
そこで今回は、JAAI(日本自動車査定協会)のガイドラインと私の実体験をもとに、車査定における減額または加算の基準について詳しくみていきたいと思います。
目次
車の査定価格が決定するまでの工程
車の査定価格というのは、お店によって必ず差が出ます。
では一体、どうやって決めているのでしょうか?
買取業者が査定価格を提示するまでには、以下の3つのステップがあります。
まずは、査定基準にしたがい、その車の評価点を出すんですが、それで査定価格が決まるわけではありません。
実際は業者オークションの相場を参考にして、いくらなら利益が見込めるか予測しつつ、お客さんの反応を見ながら “落としどころ” を探っていきます。
ですから、評価点どおりの金額になるとは限らないなんです・・・。
車の査定価格がどうやって決まるのか、何となくイメージができましたか?
車査定で見られるポイントと加減点(加算・減額)の目安
とはいえ、査定の評価点がベースになるのは確かです。
冒頭でもお伝えしたとおり、車の基本条件や修復歴の有無によって査定価格の8割方が決まりますが、それに加え、エンジンや装備類の状態をみて減点・加点をつけていきます。
そして、トータルの評価点を出すわけです。
査定基準の減点項目
というわけで、まずは査定で減点されるポイントをみていきたいと思います。
チェックされる項目は、主に次の8つです。
それでは、順にみていきましょう。
1.外装、内装
車査定で一番わかりやすい項目は、「内外装」です。
当然、キレイな状態なら問題ありませんが、傷や汚れはマイナス査定になります。
まずは、外装傷に対する減額の目安をご覧ください。
《外装傷の減額目安》
傷の大きさ | 減額の目安 |
1cm以上 | 1万円 |
カードサイズ以上 | 1〜5万円 |
A4サイズ以上 | 1.5〜11万円 |
要交換 | 2.5〜24万円 |
傷の大きさによって、マイナスされる額は変わります。
小さな傷ならそれほど影響はありませんが、板金修理あるいはパネル交換が必要なレベルの傷はかなり減額されるでしょう。
参考記事↓

では、内装の場合はどうでしょうか?
《内装の評価に対する減額目安》
状態 | 減額の目安 |
傷 | 1万円 |
カードサイズ未満のシミ | 1万円 |
シートのへたり | 1万円 |
異臭 | 4万円 |
ペットの毛 | 4万円 |
タバコのヤニ | 4万円 |
要交換 | |
布、ビニールシート | 2〜4万円 |
革シート | 5〜10万円 |
フロアマット(1台分) | 3.5万円 |
傷や汚れで減点されるのはもちろんですが、異臭やペットの毛も大きなマイナスになります。
もし汚れが気になるようなら、洗車や車内を掃除してパッと見の印象だけでも良くしておきましょう。
2.エンジン、足回り関係
次に、自動車の要であるエンジンや足回りにおける減額の目安をご覧ください。
《エンジン・足回り関係の減額目安》
箇所 | 状態 | 減額の目安 |
エンジン | アイドリング不良 | 2万円 |
異音、オイルもれ | 6万円 | |
エンジン不動、焼付き | 数十万円 | |
部品交換が必要 | 1〜12万円 | |
トランスミッション | オイルもれ | 1万円 |
不良 | 20万円 | |
サスペンション | 部品交換が必要 | 1〜2.5万円 |
サスペンション復元 | 10万円(1台分) | |
エアサスのエアもれ | 12万円(1台分) | |
ブレーキ | オイルもれ | 1万円 |
ディスクパッド交換 ディスクローター交換 | 1.5万円/1ヵ所 |
部品交換で済む程度の不具合なら大きなマイナスにはなりませんが、とくにエンジンやトランスミッションの致命的な故障は数十万円の減額が予想されます。
また、エアサスの故障に対する減額もけっこう高いです。
3.電装
では、電装部品の交換が必要な車は、いくら減額になるのでしょうか?
《電装部品における減額目安》
交換部品 | 減額の目安 |
ヘッドライト | 3〜9万円 |
その他ランプ | 2千〜2万円 |
バッテリー | 2万円 |
リモコンキー | 2万円 |
電装部品の場合はカンタンに交換が利くので、驚くほどのマイナスにはなりません。
ただ、ヘッドライトの場合は減点が大きいです。
4.装備品
続いて、そのほかの装備品に不具合がある場合もみてみましょう。
《装備品に対する減額目安》
状態 | 減額の目安 | |
エアコン | ガスチャージ | 1万円 |
コンプレッサ交換 | 4万円 | |
パワーウインド要修理 | 1万円/1ヵ所 | |
サンルーフ要修理 | 3万円 | |
ナビ故障 | 実費減点 | |
オーディオ類故障 | 1万円 |
この中でも、標準装備されたナビの故障は、大きな痛手となりそうです。
5.タイヤ、アルミホイール
タイヤやアルミホイールも、状態によっては減額の対象になります。
《タイヤに対する減額目安》
状態 | 減額の目安 | |
タイヤ | 溝1.6mm未満 | 9千〜3.5万円/1本 |
アルミホイール | すり傷、くすみ | 5千〜1.2万円/1本 |
要交換 | 2〜4.7万円/1本 |
※インチが大きいほど、マイナス金額が高くなる。
溝の深さが1.6ミリ未満のタイヤは車検に通らないので、査定では「要交換」と判断されます。
6.整備手帳、取扱説明書
意外と盲点なのが整備手帳や取扱説明書で、これらも付属しないと減点されます。
《付属書類の紛失に対する減額目安》
紛失物 | 減額の目安 |
保証書、整備手帳 | 1〜4万円 |
取扱説明書 | 5千円 |
とくに年式1〜5年の新しい車の保証書や整備手帳をなくした場合は、そこそこ減額されるでしょう。
7.走行距離
年式はもちろんのこと、走行距離も評価の対象です。
走行距離の標準はおおよそ7千〜1万km(年間)で、これよりも多ければ減点され、少なければ加点されます。
そこで、人気車種10モデルを選び、走行距離が標準より増えると買取相場がいくら下がるか調べてみました。
《走行距離の減額目安》※5年落ちの場合
走行距離 | 減額の目安 |
5万キロ/年式5年(標準) | なし |
6万キロ/年式5年 | 2〜8万円 |
7万キロ/年式5年 | 5〜27万円 |
※車両価格が高いほど、マイナス金額が大きくなる。
1万kmオーバーならそこまで評価は下がりませんが、標準から2万kmを越えると大きなマイナスになります。
8.修復歴
極めつけは、修復歴の有無です。
このポイントは、中古車の評価を大きく左右します。
修復歴車とは、ボディの骨格部分を事故などで損傷し、修理した車のことです。
出典:LEXUS
たとえ修理されていても、骨格部分に手を加えれば「修復歴車」と見なされ、評価は大きく下がります。
《修復歴による減額目安》
※修復歴なしでの査定額が50万円の場合に対する減額の目安になります。
修復歴の度合い | 減額の目安 |
軽(Aランク) | 9.3〜15.5万円 |
中(Bランク) | 15.4〜25.3万円 |
重(Cランク) | 22.6〜37.3万円 |
修復歴の度合いはABCにランク分けされ、車の安全性への影響がより大きい箇所ほどマイナス査定となります。
パッと見はキレイに直っていても、修復歴は必ずバレます。
責任を後々問われないためにも、該当する場合は申告するようにしてください。
参考記事↓

以上が、車査定で減点される主な項目です。
なお、上記の「減額目安」はあくまでも基準値であり、実際は車両価格や年式によって上下することは覚えておいてください。
査定基準の加点項目
では逆に、どのようなポイントが査定でプラス評価されるのでしょうか?
今回は、査定で加点される5つの項目をピックアップしてみました。
それでは、加算の目安も順にみていきましょう。
1.外装、内装
内外装の加算目安は、以下のとおりです。
《内外装における加算目安》
評価 | 加算の目安 | |
外装 | 無傷のもの | 4万円 |
無減点のもの | 2万円 | |
内装 | 無減点のもの | 2万円 |
「無減点」とは、上記の減点項目に該当しない場合のことです。
なお、磨いて消える程度の洗車キズや1cm未満の傷であれば、査定では「傷」とは見なされません。
2.装備品
以下3つの装備品は、加点の対象です。
《装備品に対する加算目安》
年式 | 加算の目安 | |
サンルーフ | 1〜3年 | 2〜7万円 |
4年〜 | 0〜3万円 | |
革シート | 1〜3年 | 3〜11万円 |
4年〜 | 1〜4万円 | |
ナビ | 1〜3年 | 4〜6万円 |
4年〜 | 2〜3万円 |
これらの装備は中古車としての人気を左右するため、付いていればプラス査定が期待できます。
3.フルスポイラー
なかには、純正オプションのスポイラー(エアロ)をフル装備している車もあるかと思います。
この装備も人気が高いので、査定では評価されます。
《フルスポイラーに対する加算目安》
年式 | 加算の目安 |
1〜3年 | 3〜9万円 |
4年〜 | 1〜6万円 |
年式が古いと、そこまで加算されないかもしれませんが、査定でのアピールポイントになるのは間違いありません。
4.タイヤ、アルミホイール
上記では、タイヤの溝が基準値未満だとマイナス査定になることはお伝えしました。
しかし逆に、溝がしっかり残っていれば、多少のプラスは期待できます。
《タイヤ・ホイールにおける加算目安》
状態 | 加算の目安 | |
タイヤ | 溝5mm以上 | 2〜8千円 |
アルミホイール (オプション装備) | 年式1〜3年 | 2〜9万円 |
年式4年〜 | 0〜5万円 |
また、オプションでアップグレードしたアルミホイールも加点されるポイントです。
5.車検残期間
車両本体とは関係ありませんが、車検の残期間も評価の対象になります。
というのも、車検付きの中古車なら、次のオーナーがそのまますぐに乗れるからです。
車検の残り期間に応じた加算の目安は、以下のとおりです。
《車検残期間に対する加算目安》
残月数 | 加算の目安 | |
普通車 | 軽自動車 | |
6ヶ月 | 0.8〜1万円 | 5千円 |
12ヶ月 | 2.4〜3.2万円 | 1.5万円 |
18ヶ月 | 4.1〜7.1万円 | 3.1万円 |
車検がまだ残っている時期に車を売るときは、この加算分が買取額にきちんと含まれているかを確認するようにしてください。
以上が、車の査定で加点される主な項目です。
なお、減額のときと同じように、上記の「加算目安」はあくまでも基準値であり、実際は車両価格や年式によって上下するので覚えておきましょう。
車の査定価格は結局「オークション相場」で決まる
ここまで、車査定で見られるポイントと、減額・加算額の目安をチェックしてきました。
実際の査定基準はもっと複雑ですが、どのような点で評価が分かれるかは理解できたかと思います。
ただ、車査定で「評価点」をつける段階はまだステップ1に過ぎず、最終的な「買取価格」は残りのステップで決まります。
というのも、買取業者はその車をオートオークションで転売しますが、そこでの落札価格を超えないように買取価格をつけないと利益が出せないからです。
つまり、オークション相場(落札予想価格)が、買取価格を決定づける絶対的な指標といえます。
しかし、買取業者は、利益が見込めるギリギリの値段で買い取ってくれるわけではなく、「できるだけ安く買い取って利益を増やしたい」と考えます。
そのため、ステップ3の商談で “業者の言い値” を鵜呑みにすると、本来より安く買い取られてしまう恐れがあります!
とはいうものの、単に「金額を上げてほしい」と言っても通用はしません。
車を高く売る鉄則とは…
そこで、「査定価格の比較」に重要になってきます。
ライバル社がいれば下手に安く買いたたけない状況になるだけでなく、逆に競争意識が高まり、結果的に査定価格が底上げされるからです。
ですから、車をできるだけ高く売りたければ、業者同士が競い合う状況をつくりましょう。
ただ、お店を何社も回るのは非効率なので、その際は『車一括査定』で買取業者をまとめて比較することをおすすめします。
これが、査定価格をアップさせるシンプルな方法です!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、車査定でマイナス評価されるポイントと、プラス評価されるポイントをザッとご覧になっていただきました。
査定前に洗車や掃除といった対策はやらないよりマシですが、車両そのものの状態が改善されるわけではありません。
また、査定前の修理も、損をするのでやめましょう。
ですから結局のところ、車の評価はどうすることもできないんです。。
ただ、商談次第では、車を高く売ることは十分に可能です。
車の状態はありのままを見てもらい、そのうえで少しでも条件のいい買取業者を選びましょう!