車を売るとき不具合を言わない場合の責任|車査定で嘘がダメな理由

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「車を売るときに不具合があったら、言わないとダメなの?」
「もし車の査定で噓を付いたら、後からバレるかな…」

車に不具合や修復歴があれば、査定でマイナスになるのは確実。
だから、都合のわるい事実はついつい隠したくなるなるものです。

こんにちは!

GOODBYE CARの岡田です。

実は私も事故歴のある車を買取に出したとき、修理したことを正直に言おうか言うまいか迷いました。
というのも、パッと見はほぼ完璧に直っていたからです…。

でも、車の査定で嘘をつくのはNGです!
仮にその場はやり過ごせても、結局はあとでバレて責任を問われる可能性もあります。

そこで今回は、車を売るときに不具合や欠陥を言わないとどのようなリスクがあるのか、実際の契約内容と法律をふまえて解説します。

車売却のトラブルを避けるための大事なポイントなので、ぜひご覧ください。

売り手は「車の品質」に関する申告義務がある

業者を相手にすると、こちらはどうしても “お客さん感覚” になりがちです。

しかし、車の売却においてあなたは “モノを売る立場” になるため、車の品質に対しては責任が生じます。

実際、買取契約書には、次のようなことが書かれているはずです。

売主は、車の品質や使用状況などを分かっている範囲で誠実に申告しなければならない。

いわゆる申告義務のことです。
このルールを守らないと、何か問題が起きたとき、あなたは非常に不利な立場になってしまいます。

逆の立場で考えてみましょう。

たとえば、あなたが中古車を買ったとします。
しかし実は、その車には修復歴があり、店側はそのことを隠して販売していました。

その事実をあとで知った場合、あなたはどうしますか?
「中古車を買った販売店」にクレームを付けたくなりませんか?

あなたが車を売るときも、同じことが言えるんです。
車に不具合や修復歴があることを黙って売れば、後々トラブルになったときに責任逃れはできません。
そんなリスクを冒してまで嘘を付くメリットはないですよね。

知っていることは正直に伝える。
これが、車査定における最低限のルールです。

車の査定で嘘をついた場合の責任

では、車の査定で嘘をつくと、どのようなリスクがあるのでしょうか。

車の売主が負う『契約不適合責任』とは

これには、民法の『契約不適合責任』が深く関わってきます。
簡単にいうと、「契約に合致しないモノを売ってはダメ」という法律です。
車に欠陥があれば申告するのはもちろんですが、さらに、その内容を契約書にも記載する必要があります。

もし、契約書に書かれていない欠陥があとから見つかれば、売り手が責任を追及される可能性があります。

ちなみに、2020年に民法が改正される前は、「不具合は知らなかった」「査定の見落としだ」という言い逃れが通用しました。
しかし、契約不適合責任に変わったことで、「知っていても知らなくても、契約書にない事は売主が責任を取る」という法律になったわけです。

だから、とにかく重要なのは欠陥の申告契約書への記載です!
ここは覚えておいてください。

契約不適合責任を問われた場合の代償

仮に、査定で嘘をついたり、事実を隠したりして、不具合などが契約後に見つかったときは、買取業者から次のいずれかを請求される可能性があります。

契約不適合の場合に請求される事

①追完請求
→契約書に書かれていない不具合などの修理

②代金減額請求
→不適合(契約書に書かれていない欠陥)の程度に応じた代金が買取価格から差し引かれる

③契約解除
→①②ができない場合は契約を解除される

④損害賠償請求
→その間に生じた損害を請求される(転売の利益も対象)

ただ、車買取の場合、①追完請求で責任をとるのは非効率で現実的ではないため、いきなり②減額請求となるケースが一般的です。

【二重査定】車買取で契約後の減額はありえる!法的見解と未然回避策を解説

①②では対処できないか、あるいは拒否した場合には、③契約解除や④損害賠償請求の可能性も出てきます。

査定での嘘がどれだけリスクを伴うか、お分かりいただけたでしょうか。

実際の契約内容が最も重要

ただ、上記は民法上のルールであって、最も優先されるのは「実際の契約内容」です。

たとえば、私が修復歴車を売ったときの契約書には、以下のことが書かれていました。

標準的な検査では見つけられない不適合が判明して買主に損害が生じたときは、買主は「契約解除」または「損害賠償請求」ができる。

(分かりやすい言葉で要約してあります)

要するに、ふつうの査定では分からない欠陥が再検査などで発覚すれば、売り手にその責任を負わせるという意味です。

こちらにとって不利な条件のように思えますが、「契約不適合責任」という法律がある以上は妥当な契約内容といえるでしょう。

車の買取後に不具合や欠陥が見つかった場合の責任

ここまで、車の欠陥があとから見つかった場合の責任について、法律や契約内容をふまえてお伝えしてきました。

では、実際にトラブルとして起こりうるケースをご紹介します。

基幹系の不具合

希に、一般的な査定では見つけづらいエンジンやミッションなどの内部トラブルが、車を引き渡したあとに判明するケースがあります。

売り手からすれば、「後から言われても知ったこっちゃない!」という気持ちになりますよね。
でも、この場合は「契約に合致しない車」を売ってしまったことになるので、売り手が責任を問われます。

ただ、査定ミスではないものの、そのときに発見できなかったのは事実です。
だから、修理代や損失がいくらいで、売り手が何割負担するべきか、“納得できる落としどころ” を話し合うことになるでしょう。

身に覚えのない修復歴

また、中古で買った車を売却する際に、身に覚えのない(前オーナーの)修復歴が発覚するケースがあります。

このような事態が起こるのは、中古車販売店が修復歴を隠ぺいして欠陥車を売ったことが原因です。
だから、この場合、売り手が修復歴を知らなかったのは仕方がありません。

ただ、車に欠陥があることに変わりはないので、買取店としては減額せざるを得ません。

納得できなければ、元の販売店に責任を追及することになるでしょう。

契約不適合責任を問われないために大事なこと

このようなトラブルは、金銭面だけではなく、精神的な負担にもなります。
だから、後々に責任を問われないためには、とにかく次の2点に気を付けてください。

  1. 身に覚えのある不具合や欠陥(修理歴など)は全て伝える
  2. 欠陥があれば契約書に必ず記載してもらう

なお、査定で申告するべき項目は、以下の6つです。

車の査定で申告するべき6項目

  1. 不具合
    ・電装系(エアコン、ナビ、パワーウィンドウ、ワイパーなど)
    ・異音(運転中のエンジン音や足回りのきしむ音など)
    ・その他(走行時の警告灯、エンジンオイルの減りが早い、エアコンのガス漏れなど)
    ※心配なら事前にチェック!
  2. 事故歴、修復歴
    事故歴や事故による修理歴
    (通常メンテナンスによる部品交換まで伝える必要はない)
  3. 冠水、浸水歴
    室内フロアよりも上まで浸水したことがある場合
  4. ふだんの使用状況
  5. 購入方法
    新車または中古のどちらで購入したか
  6. メーター交換(改ざん)歴
    交換の場合は証明書類やシールがあればOK
    (昔はアナログメーターの改ざんがよく行われていたが、現在はほとんどない)

これらに関しては業者のほうから聞いてくると思いますが、もし該当することがあれば、こちらから最初に伝えておきましょう。

ここで一番重要のは、査定に影響する欠陥は契約書にも記載することです。(契約する場合)

これをしないと、後で言いがかりを付けられた場合、こちらの責任になってしまいます。

業者側に落ち度がある場合

ただし、以下の場合は、業者側に落ち度があります。

  • 査定ミスにより、あとで不具合や修復歴が見つかった
  • 業者の不備により、契約書に記載漏れがあった
  • 業者の過失により、車に新たな不具合が生じた

ところが、このようなケースでも、売り手の無知につけ込んで責任をなすりつけてくる業者が存在します…。
そこで危うい立場にならないためにも、やはり欠陥の申告契約書への記載は必ず守るようにしてください。

おわりに

「バレなきゃ大丈夫、黙っておこう・・・」
車を少しでも高く売りたい気持ちから、不都合なことはついつい隠したくなるものです。

でも、車査定での嘘はリスクでしかありません。
ですから、車に不具合などがあれば正直に伝えるようにしましょう。

大切なのは、車の状態をありのまま見てもらい、そのうえで少しでも高く買い取ってくれる業者を選ぶことです。