車買取のキャンセルルールを電話調査!法律も交えて解約の可否を解説

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「車の売却をその場で決めたけど、やっぱり契約をキャンセルしたい…!」

車の買取は、高額な契約です。
「レストランのキャンセル」や「ネット通販の返品」とはワケが違います。

でも、事情が変わり、車の売却をキャンセルしたくなることもあるかと思います。

たとえば、次のような理由です。

  • もっと良い条件のお店が見つかった
  • やっぱり買取額に納得できない
  • 車の売却を家族に反対された
  • 車を身内に譲ることにした
  • 急な事情で、車がまた必要になった

本来、事を慎重に進めればキャンセルするような事態は防げるはずですが、でも後悔とはそういうものですよね。。

というわけで、こんにちは!

わりと慎重派な、GOODBYE CARの岡田です。

契約ごとは法律が絡むので、正直ややこしいです。

そこで今回、中古車買取店大手10社に直接電話をかけ、各社のキャンセルルールを調査することにしました!

その結果、車の引き渡し前ならキャンセル可能 という会社が多いことがわかりました。

ただし、会社ごとにキャンセルに関する規約は異なりますし、そのときの状況によっても対応は変わるそうです。
オークションや一般客への転売が決まったあとや、メンテナンスで車に手を加えたあとでは、キャンセルできないか、違約金を請求されるケースもあります・・・。

そこでこのページでは、電話調査と法律的見解をふまえ、車買取のキャンセルルールについて詳しく解説します。
車の売却をキャンセルしたくて困っている方は、ぜひご覧ください。

車の買取契約を解除できるタイミング

車の売却をキャンセルできるかどうかは、“申し出るタイミング” が重要です。
話がどこまで進んでいるかによって、問題なく対応してもらえることもあれば、断られる場合もあります。

車買取の一般的なキャンセルルールを、わかりやすく表にまとめてみました。

《キャンセルの可否を分けるタイミング》

契約 引渡し 条件 可否
契約前
契約後 車引き渡し前
転売が決まった後 不可
車引き渡し後 キャンセル可能期限内
キャンセル可能期限外 不可
オークション出品後 不可
次の買い手が見つかった後 不可

はじめにお伝えしたとおり、基本的に「車の引き渡し前」ならキャンセルは可能です。
また、引き渡したあとでも、契約書にある「キャンセル可能期限内」なら問題ありません。

キャンセルできないのは、「解約期限を過ぎた後」「転売が決まった後」です!

業者は車を買い取ったあと、オートオークションに出品するか一般客に転売しますが、そのタイミングで急に「キャンセルしたい」と言われても非常に困るからです。

そのため、転売が決まったあとのキャンセルは出来ないのが、一般的なルールになっています。

希なケースですが、契約後、車をまだ引き渡していないのに、ほかのお客さんへの転売が決まってしまうこともあります。

なぜなら、買取契約を交わした時点で、その車の権限は【売り手→業者】へと移ってしまうからです。

したがって、どの段階でキャンセルしたいと伝えたか、ここが可否を決定付けることになります。

車買取契約後のキャンセルに関する法律的見解

契約後のキャンセルについては、法律も深く関わってきます。

まず重要なのが、契約が成立するタイミングです。
一般的には「サインした時点」あるいは「車と書類を引き渡した時点」という認識ですが、実は約束した時点で契約は成立します。

《売買》

売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

引用:e-GOV法令検索/民法第555条

つまり、たとえ口約束でも「売る」と言えば、そこで売買が成立することになります。
契約書とは、その約束を証明するためのものでしかないんですね。

さらに、契約を一旦交わしてしまえば、相手の同意や契約違反がないかぎり、こちらの都合で一方的にキャンセルすることはできません。

したがって、査定額を提示され、車を売ることを約束した時点で、業者に「キャンセルできない」と言われても法律的には何ら問題がないんです。

車の売却でクーリング・オフは適用されない

特定商取引法では、「クーリング・オフ」が認められています。

クーリング・オフとは
契約(申し込み)後、一定期間内であれば無条件で解約できること。

しかし、車の売却は「よく考えた上での契約」と見なされるため、クーリング・オフは適用されません。

以上のことから、「売り手の一方的なキャンセルは通らない」というのが法律的な見解です。

何だか厳しいようにも思えますが、企業でも個人でも “モノを売る立場” の責任はどうしても重たくなってしまうんですね。

大手買取店のキャンセルルールを電話で聞いてみた

ただ、車買取店もあくまで客商売ですから、実際はそこまで厳しいルールは設けていないようです。

キャンセルルールを調べるため、下記の大手買取店10社に問い合わせてみました。

では、1社ずつ見ていきましょう。

アップル

キャンセルの可否
キャンセル期限 可能 引き渡し日の翌日まで
不可 引き渡し日の翌々日以降
キャンセル料 基本的に請求なし
(店舗による)

アップルは会社統一のルールはあるものの、フランチャイズ経営なので、お店によっては「実際にかかった費用を請求される可能性がある」とのことでした。

ガリバー

キャンセルの可否
キャンセル期限 可能 引き渡し前
引き渡し日の翌日まで
不可 引き渡し日の翌々日以降
キャンセル料 請求なし

ガリバーはホームページでキャンセルルールを公開していますが、基本的には「引き渡し日の翌日」までなら解約できます。

ビッグモーター

キャンセルの可否
やむを得ない事情ならOK
他社と契約するためならNG
キャンセル期限 可能 引き渡し前
不可 引き渡し後
キャンセル料 請求なし

ビッグモーターのキャンセル可能期限は「車引き渡し前」まで。
キャンセルの理由や状況によっては、柔軟に対応してくれるようです。

ただし、他社と契約するためのキャンセルであれば、できない可能性があるとのこと。
営業マンの対応次第なところもあるのでしょう。

カーセブン

キャンセルの可否
キャンセル期限 可能 引き渡し日から7日以内
不可 引き渡し日から8日目以降
キャンセル料 請求なし

カーセブンは他社と比べて猶予が長く、電話でもキャンセルができます。

また、カーセブンはJPUC(日本自動車購入協会)のもっとも厳しい認定をクリアした適正買取店なので、キャンセルに関しては一番安心できる業者です。

カーチス

キャンセルの可否
キャンセル期限 可能 引き渡し前
(引き渡し前でも、転売先が決まれば不可)
不可 引き渡し後
オークション出品後
次の買い手がついた後
キャンセル料 請求なし

カーチスは引き渡し前後によらず、転売が決まってからのキャンセルはできないとのこと。

ネクステージ

キャンセルの可否
キャンセル期限 可能 引き渡し前
引き渡し当日
不可 引き渡し日の翌日以降
キャンセル料 請求なし
(陸送費などは請求の可能性あり)

ネクステージは引き渡し当日のキャンセルはOKですが、引き渡し後は完全にNGとのこと。

他社と同様、キャンセル料はかかりませんが、陸送費などの実費がかかった場合は請求される可能性があります。

ユーポス

キャンセルの可否
キャンセル期限 可能 引き渡し日の翌日まで
不可 引き渡し日から翌々日以降
キャンセル料 請求なし

電話で問い合わせたところ、「引き渡しの翌々日」まではキャンセル可能とのことでしたが、ホームページには「翌日まで」と書かれています。

店舗によって対応が異なる可能性があるので、注意しましょう。

ラビット

キャンセルの可否
やむを得ない事情ならOK
転売先が決まればNG
キャンセル期限 可能 転売が決まるまで
不可 オークション出品後
次の買い手がついた後
キャンセル料 基本的に請求なし
(店舗による)

アップルと同様、ラビットもフランチャイズ経営で、お店によって対応が分かれる可能性があります。

やや柔軟さに欠けるような印象でしたが、電話対応してくれた方は、20年来、キャンセルでトラブルになったことはないそうです。

オートバックス

キャンセルの可否
「できなくはない」という回答
キャンセル期限 可能 引き渡し前
不可 状況次第
キャンセル料 基本的には請求なし

オートバックスは、引き渡し前ならキャンセル可能。

引き渡し後でも状況によっては柔軟に対応するそうですが、電話口では渋々といった様子でした。

トヨタのクルマ買取

※トヨタ車以外の買取もOK

キャンセルの可否
会社による
キャンセル期限 可能 転売が決まるまで
(すぐに転売するわけではない)
不可 次の買い手がついた後
オークション出品後
キャンセル料 基本的に請求なし
(陸送費、クリーニング費などは請求の可能性あり)

「トヨタのクルマ買取」のお店は、いわばトヨタディーラーです。
一般的な買取店とは違い、自社のネットワークで中古販売するケースも多いため、キャンセルの猶予は「転売が決まるまで」とのこと。

ただ、車を引き渡したあと、自社販売するための準備(クリーニングなど)を進めるので、タイミングによっては実費を請求される可能性があります。

キャンセルルールの電話調査を終えて

今回、車買取のキャンセルルールについて問い合わせた結果、上記10社はすべて「キャンセル可能」との回答をいただきました。

電話調査で感じたのは、結局のところ、業者もトラブルを避けたいのは一緒だということ。
「そのときの状況に応じて、可能ならキャンセルに対応する」というのが、全社に共通する説明でした。

ネット上の口コミや法律的見解に反して、問い合わせた大手10社には良心的な印象を受けたのが、今回リサーチした正直な感想です。

ここまでで、車買取の一般的なキャンセルルールについては理解できましたか?

車買取の契約後にキャンセルする方法

では、実際にキャンセルしたいときにやるべきことをお伝えします。

手順は以下のとおりです。

  1. 「契約解除」に関する規約を契約書で確認する
  2. 業者にすぐ電話をして、キャンセルしたいことを伝える
  3. 事情を説明して、キャンセルできるか交渉してみる

要点を順に説明していきますね。

STEP.1
「契約解除」に関する規約を契約書で確認する

まずは、契約書の内容を確認しましょう。

そこに「契約解除の可否」「解約の期限」「違約金」など、キャンセルについての取り決めが書かれているはずです。
難しい言葉がびっしり並んでいると思いますが、業者によってルールは異なるので、よく読むようにしてください。

STEP.2
業者にすぐ電話をして、キャンセルしたいことを伝える

次に、すぐ担当者へ電話を入れましょう。

キャンセルできるかどうかは、“申し出のタイミング” が決め手になります。
連絡が早ければそれだけ業者のリスクも減るので、キャンセルを承諾してくれる可能性は高くなります。

もし担当者の携帯がつながらなければ、お店のほうに電話をかけてください。
とにかくキャンセルしたいことを伝えるのが肝心なので、少しでも早く行動しましょう。

STEP.3
事情を説明して、キャンセルできるか交渉してみる

そこで事情を説明し、キャンセルできるか聞いてみてください。

業者がキャンセルルールを定めているのは、あくまでトラブルを避けるため。
まだ転売に向けて動き出していなければ、柔軟に対応してくれるかもしれません。

このとき、「他社と契約するため」という理由だと、キャンセルを拒否される可能性があります。
キャンセルを認めてもらうには、何かしらの “やむを得ない事情” が必要になるでしょう。

キャンセルできるかどうかは、そのときの状況や契約内容によりますが、事情を説明すれば、向こうも可能なかぎり対応してくれると思います。

ただ、こちらが無理なお願いをしていることは忘れないでくださいね。
「キャンセルできて当たり前」という態度だとあっさり断られることもあるので、低姿勢で交渉することが大切です。

車の売却をキャンセルするときの違約金について

とはいえ、キャンセルしてほしくないのが業者側の本音。
トラブルや不利益があってはいけないので、それを防ぐためにルールを設けているんです。
だから、場合によっては、キャンセルを断られるか、違約金を求められることも考えられます。

車の買取契約は高額になるので、当然と言えるかもしれませんね。

このことに関するトラブルの事例をひとつ紹介します。

《契約書に記載された以上の解約料を請求された》

米国製の車を200万円で売却することにしたが、やはり解約したくなり、車が引き取られた2日後に解約を申し出た。

同意書に「お客様都合で解約の場合は、10万円かかる」と記載されていたので、10万円支払うのは仕方ないと思っていたが、「オークションで買い手が決まっているため、その客に対する迷惑料などで、さらに23万円がかかる」と言われた。

同意書に出ている解約料10万円で解約できないのか。

引用:国民生活センター「増加する自動車の売却トラブル」2012年資料

この場合、業者側の対応にも問題があると思いますが、実際に損害が出ていれば、起こりうるトラブルです。

違約金については、以下の法律があります。

《賠償額の予定》

当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。

引用:e-GOV法令検索/民法第420条

要するに、契約書に「賠償額(違約金)〇万円」と書いてあれば、一応、法的には “払うべきお金” ということになります。

高額なキャンセル料に納得できない!

ただし、上記の事例のように法外な違約金を要求されるケースもあるので、業者の言うがままに支払う必要はありません。

もし、高額なキャンセル料を請求された場合は、何にどれだけの損害が生じたのか書面にしてもらい、きっちり説明してもらいましょう。
それでも納得できなければ、以下の法律を盾に、支払いを拒否することもできます。

《消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効》

消費者契約の解除に伴う損害賠償額の予定または違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」を無効とする。

引用:e-GOV法令検索/消費者契約法第9条

要するに、「高すぎる違約金はダメ」という法律です。

ただ、実際に裁判となると、弁護士費用のほうが高くついてしまい、お互いに損をします。
悪質な業者でなければ減額交渉に応じてくれるかもしれないので、まずは解約料がいくらなら妥当か、よく話し合うのが現実的ではないでしょうか。

キャンセルでトラブルになった場合の相談窓口

それでも解決に向かわなければ、第三者機関に相談することをおすすめします。

JPUC(ジェイパック)

JPUC(日本自動車購入協会)とは、買取業界の健全化をめざす団体で、業者に対して調査や指導もおこなっています。
車の売却トラブルにも精通しているので、相談するには最適だと思います。

→JPUCのホームページ

国民生活センター

国民生活センターとは、消費生活に関する情報提供や調査をおこなう独立行政法人(所管:消費者庁)です。
さまざまなトラブルを解決するための相談窓口があり、過去の事例や法律をふまえたアドバイスが受けられます。

→国民生活センターのホームページ

車の売却でトラブルになったときは、いずれかの機関に問い合わせてみてください。

《今後のために》
車売却後のキャンセルを防ぐ方法

さいごに、車の買取でキャンセルするような事態が今後起きないよう、大事なポイントをお伝えします。

  1. 車を売ってもいいのか家族と相談する
  2. 契約を即決しない
  3. キャンセル規約をよく確認する
  4. 信頼できる業者を選ぶ

そもそもの話にはなりますが、まずは、その車を売ってもいいのか良く考えましょう。
キャンセルする理由に、「勝手に契約したら家族に反対された」というケースが結構多いそうです。

また、契約をその場で決めないことも大切です。
もっと条件のいい業者が現れるかもしれないので、しっかり相見積もりをとってから売却先を選びましょう。

もちろん、キャンセル規約をよく確認することは大前提です!
売り手に不利な契約内容も存在するので、不明な点はしっかり説明を受けてください。

JPUC(日本自動車購入協会)の会員業者なら安心

そして、トラブルを避けるには、信頼できる業者を選ぶことも肝心です。

たとえば、上記で紹介したJPUCでは「消費者を保護するためのモデル約款やっかん」があり、契約後のキャンセルについての取り決めがあります。↓

  • 車の引き渡し翌日までなら、何の負担もなく契約を解除できる。(連絡は必要)
  • キャンセル料(違約金)の請求など、消費者の利益を一方的に害する契約事項は定めてはいけない。

この条件があるだけでも安心ですよね。

なお、JPUCの定めた、あるいは、それ以上の約款(契約内容)を採用している大手買取店は以下6社です。

《JPUC監修の大手買取店》

  1. アップル
  2. ガリバー
  3. カーセブン
  4. カーチス
  5. ネクステージ
  6. ユーポス

※その他の会員業者はこちら

これらの会社なら、少なくともキャンセルトラブルは防げるはずです。

JPUCの会員業者に査定を依頼する方法

JPUCの会員業者に査定を依頼したいときは、車一括査定サービスをおすすめします。

申し込みの際に候補店が紹介されるので、そこで上記6社を選ぶだけです。

そうすれば、本当に安心できる業者だけに査定を依頼でき、さらに、その中から条件の一番良いところを選ぶことができます。

トラブルが不安な方は、ぜひこのやり方を試してみてください。

≫JPUC会員業者に査定を依頼する(無料)

おわりに

いかがでしたか?
契約ごとなので、難しく、少し厳しめな内容でしたね。

本来、契約とは、お互いが合意すれば成立するもの。
相手が契約や法律に違反しないかぎり、こちらから一方的に取り消すことはできません。

とはいっても、買取店も客商売ですから、ある程度は柔軟に対応してくれます。

大事なのは、キャンセルしたい事情をできるだけ早く、そして正直に伝えること。
その上で交渉すれば、向こうも “良心的な落としどころ” を提案してくれると思います。