車の売却にともない、さまざまな書類もいっしょに引き渡すことになりますが、そこに記載されている個人情報が第三者に知られてしまわないか、心配な方もいるのではないでしょうか?
GOODBYE CARの岡田です。
今は個人情報保護法によりコンプライアンスを重視する流れが強まっているため、車の売却で個人情報が流出する心配はほとんどないと思います。
ただし、「ない」とも言い切れないのが実情です。。
実際、私も以前に中古車を買ったとき、前オーナーの個人情報が載っている整備記録簿が入っていたことがありました。
もちろん、個人情報が漏れて、そこから犯罪につながることは考えにくいですが、他人に知られるのは気持ちいいものではないですよね…。
そこで今回は、車を売るときに個人情報がどう扱われるのか、また、自分でできる対策はあるのか、そのあたりを詳しく解説していきたいと思います。
個人情報の流出が不安な方は、ぜひご覧ください。
目次
個人情報保護法とは
たいていは、どこの車屋(買取業者や販売店など)でも、ホームページを見れば「個人情報の取り扱い」に関する社内ルールが書かれています。
というのも、すべての事業者は「個人情報保護法」の対象だからです。
つまり、基本的には、個人情報は法律で守られており、さらに、車屋は「個人情報を安全に管理します」と宣言もしているわけです。
したがって、車を売るときの「提出書類に載っている個人情報」は安全に扱われるものと考えていいでしょう。
個人情報の漏えい防止のために車買取業者がやっていること
では、ディーラーを含めた車買取業者は、書類などにある個人情報を実際どのように扱っているのでしょうか?
1.車検証の個人情報
車を売るときは車検証が必要ですが、そこにも個人情報はバッチリ載っています。
ただし、次のオーナーへ車が渡るときに名義変更が必ずおこなわれ、車検証も新しいものが発行されます。
ですから、あなたの個人情報が載った車検証を、第三者(個人)が目にすることはありません。
車を売るときは印鑑証明書や委任状なども必要になりますが、これらも名義変更で使う書類なので、車の次のオーナーには渡りません。
2.自賠責保険の個人情報
続いて、自賠責保険の証書に載っている個人情報はどうでしょうか。
実は、自賠責保険はその車自体にかかる保険になるため、抹消登録をしないかぎり、車を売っても基本的に解約されることはありません。
つまり、車が次のオーナーへ渡っても、自賠責保険そのものは引き継がれるわけです。
ただし、車検証と同様、自賠責保険は次のオーナーへ渡るときに名義変更されるのが基本ですから、証書は新しいものに変わります。
希に、自賠責保険の名義変更をおこなわないケースもあるようですが、その場合でも、個人情報欄にシールを貼るなどして対策が取られるので、あなたの名前や住所が流出する危険性はないはずです。
3.点検整備記録簿の個人情報
点検整備記録簿はその車の信頼性を高める重要な書類なので、必須ではありませんが、売却時に書類といっしょに引き渡すのが一般的です。
以前は整備記録簿にも個人情報が載っていましたが、個人情報保護法ができたことにより「車台番号」のみで管理されるようになりました。
ですから、整備記録簿についてはあまり心配はいりません。
ただし、ユーザー車検や昔の記録簿には個人情報が書かれていることもあります。
その場合、店側は個人情報欄だけを切り取って対応しているようです。
4.ナビの登録データ
忘れがちなのが、ナビに登録された住所や電話番号などです。
もちろん、これらも個人情報になります。
ただ、ナビのデータは一括削除できるようになっているので、買取後、登録情報は必ずリセットされます。
以上が、個人情報が漏れないために買取業者がとる対策です。
もう一度確認しておきましょう。
車買取業者による個人情報の扱い
- 車検証の個人情報
→名義変更 - 自賠責保険証明書の個人情報
→名義変更
→個人情報欄をシールなどで隠す - 点検整備記録簿の個人情報
→現在は車台番号のみで管理
→個人情報があった場合は切り取る - ナビの個人情報
→初期化してデータを削除
車を売るときの個人情報は業者間で引き継がれることはありますが、上記の対策を取っているため、基本的に第三者(個人)に流出することはありません。
車売却時に個人情報が流出しないために自分でできること
しかし、「個人情報の保護」が法律で義務づけられているものの、中には管理がずさんな業者が存在するのも事実です。
そこで、車を売るときに個人情報が流出しないよう、自分でできる4つの対策も紹介しておきます。
1.不必要な書類を処分する
車を売却するときは、以下の書類が必要です。
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書(必須ではない)
- リサイクル券
- 委任状
- 譲渡証明書
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票(住所変更した場合)
- 点検整備記録簿(必須ではない)
- 取扱説明書(必須ではない)
逆にいえば、これら以外は必要ありません。
たとえば、以下のような書類を、車検証などと一緒に保管していないでしょうか?
- 任意保険や過去の自賠責保険の証書
- 車検の請求書(見積書)
- 車庫証明の控え
- ETCセットアップの申込書
不要な書類は業者のほうでも廃棄してくれますが、くまなくチェックされるわけではありません。
ですから、書類をいったん整理して、要らないものは渡さないほうが安全です。
2.書類の個人情報欄を可能な範囲で切り取る
前述のとおり、整備記録に個人情報が載っている場合は業者のほうで対応してくれますが、不安なようであれば、自分でその箇所だけ切り取っても問題ありません。
そうすれば、まず安心です。
ただし、手を加えてはいけない書類もあるので、事前によく確認するか、もしくは業者に任せるのが良いでしょう。
3.ナビデータを初期化する
ナビの登録データも業者のほうで対応してくれますが、自分でも簡単にリセットできます。
どの機種でも、たいていは「設定」内に「リセット」または「初期状態に戻す」といった項目があるはずです。
一度リセットすると元には戻せないので、消えたら困る情報は何かほかのものに記録しておきましょう。
ドライブレコーダーについても店側で対応してくれますが、心配であれば自分でデータを削除しておくと良いです。
ちなみに、ETC車載器には車両データしか登録されていないので、何もする必要はありません。
4.信頼できる買取業者に車を売る
そして、一番肝心なのは、個人情報を安全に扱ってくれる “信頼できる買取業者” に車を売ることです。
そうすれば、個人情報が他人に漏れるような事態にはなりません。
車の売却先を選ぶときは、やはり、名の通った業者がいいでしょう。
個人経営の小規模業者などがダメというわけではありませんが、有名な会社のほうがコンプライアンスへの意識が強いため、安心だからです。
もし個人情報の漏れが心配であれば、上記のように自分で対策するか、業者へお願いするときに念を押しておきましょう。
では、おさらいです。
個人情報の流出を防ぐためにできる事
- 不要な書類は自分で処分する
- 書類の個人情報欄を可能な範囲で切り取る
(手を加えられない書類もあります) - ナビのデータを自分でリセットする
- 信頼できる業者へ車を売る
(個人情報の扱い方を確認しておくと安心)
まとめ
車の売却書類に載っている個人情報の扱いが心配になる方もいるかと思いますが、漏えいを防止するための法律があるので、基本的には買取業者に任せておけば大丈夫です。
もし、どうしても不安な場合は、業者に確認したうえで「個人情報欄の切り取り」「ナビの初期化」といった対策をご自身でやることをおすすめします。
車を売るときに重要なのは、信頼できる業者を選ぶこと。
そして、もちろん、車を少しでも高く買い取ってくれる業者を選ぶことも忘れないようにしましょう!